こあ

実行委員会により選出されたキュレーターが、地域とコミュニケーションを図りながら創り上げていく展覧会。各開催地域が改めて分析した地域の歴史や特性を、キュレーターが展示に反映させることにより、真摯に向き合った「アート」から新しい、または気付かなかった奈良への視点を提示する可能性を追求する。同時に、その魅力を多くの来場者に周知していくことを目指します。
※キュレーターとは…1つのテーマのもと作家や作品をコーディネートし、各会場での展覧会を総括する指揮者、責任者。


開催日程:2014年11月7日(金)〜11月16日(日)
開催地域:生駒宝山寺参道エリア、奈良きたまちエリア、郡山城下町エリア
(3つのエリアは、電車で30分程度で移動できます。)

開場時間:10:00~17:00
※ナイトビューイング
旧川本邸南大工町の家…11/8(土)と15(土)は19:00まで延長。
工場跡…11/8(土)と15(土)は19:00まで延長。
旧たき万旅館…夕方に開催する関連イベント(有料)参加者に限り、17:00以降も展示をご覧いただけます。

オープニングイベント:
キュレータートークショー
11月7日(金) 18:30-19:30(開場18:00)
会場: 旧たき万旅館 大広間(生駒宝山寺参道エリアこあ会場)
3エリア4会場のこあキュレーターとアートディレクターが、今年のはならぁとのオープニングを宣言すると共に、各会場とこあ全体の見どころを詳しく解説します。


エリア


奈良・町家の芸術祭 はならぁと アートディレクター

山中 俊広

1975年大阪生まれ。大阪府立大学経済学部卒業、大阪芸術大学大学院芸術文化研究科修士課程修了。
大阪芸術大学博物館学芸員、現代美術ギャラリーなどの勤務を経て、2012年よりフリーランスとして活動を開始。関西を拠点に現代美術に特化した展覧会やイベントの企画、美術評論の執筆をおこなう。
2013年に大阪市此花区にギャラリースペース「the three konohana」をオープンし、ギャラリストの立場でも各種企画をおこなう。2013年より「飛鳥アートヴィレッジ」プログラム・コーディネーター。2014年より大阪芸術大学芸術計画学科非常勤講師。 

アートディレクターが語る“はならぁとこあ”の見どころとは?

今年の「はならぁとこあ」は、郡山城下町、奈良きたまち、生駒宝山寺参道の奈良県北部3エリア4会場にて開催いたします。今年の4会場は、大正から昭和初期にかけて建造され、それぞれ遊郭、住居、工場、旅館の用途で使われていた、地元の歴史と縁が深く結びついている建物です。これらの個性豊かな会場で、現代アートの領域で実績を重ね、奈良にゆかりのある4組5名のキュレーターが、総勢約30組のアーティストと共に、奈良の地域性への新たな視点やその糸口を、現代アートの手法と思考によって導いた展覧会の形式にて表現します。

奈良の個性や魅力をただ一方向的に提示することが、「はならぁとこあ」における現代アートの役割ではありません。いつの時代も、多くの人々の関与の下で過去と現在の価値観の拮抗を重ねることにより、常に私たちの歴史と文化は熟成されてきた経緯があります。その例に違わず、これまで奈良の土地が蓄積してきた数多くの歴史と文化も、その価値を変化させながら現代に受け継がれています。さらに私たちの生きる現代は、社会のシステムの多様化によって膨大な価値観が混在する時代です。「はならぁとこあ」は、これら多数の選択肢の存在を示唆させ、かつ今昔へと思考を巡らせる橋渡しとなることで、今にふさわしい奈良の印象を見い出していただく機会になるはずと信じています。

今年の「はならぁとこあ」は会場間の連携を強化し、エリア間を周遊してじっくり楽しんでいただくための連携企画を複数用意しています。現代アートの展覧会と共に、会場周辺のまちなみも合わせて散策していただくことで、奈良の過去と現在、歴史と文化のみならず、日常の生活にも通底する新たな思考と気づきを持ち帰っていただければ幸いです。

 

はならぁと こあ キュレーターの選考について

今年のはならぁと「こあ」のキュレーターの選考につきましては、先日の私のあいさつ文で発表しました通り、従来の公募制を取らず、実行委員会で適任なキュレーターをリストアップし、直接参加を依頼する形式を取りました。

今年の選考では、今年の大きな目標としています、「地域とアートが対等の立場を取ること」と「現代アートとして良質の企画を提示すること」の2点が明確に反映できるであろう方々にお声掛けし、4組5名の方々にご参加いただくこととなりました。

まず、奈良や各地域の要素と深く向き合ってもらえることを基準に、4組5名のキュレーターは奈良にゆかりがある方々で揃えました。河内さん、窪山さん、村田さんは奈良県育ちまたは現在奈良県に在住されているアートの現場の方々です。また、森山さんと衣川さんは、過去のはならぁとで参加実績があります。現在は5名とも奈良県外でアートの活動をされています。確実に奈良を内と外の両方の視線で客観的に捉えてくださるものと思います。

そして、5名ともアートの世界で10年前後の活動実績をお持ちです。世代的にも若手から中堅クラスの方々で、かつメインの活動領域のみならず他領域のアートの動きにも積極的に関与している方々ばかりです。内容の安定感と共に、斬新なアプローチも今年の企画の中で実現してくださる可能性が高いと期待しております。

現在4組5名のキュレーターは、すでに出展作家のセレクトから企画コンセプトのブラッシュアップの作業に入っております。すべての企画が確定し次第、全容を公開するとともに、3エリア4会場で構成される今年の「こあ」全体のコンセプトおよび見どころを、みなさまにご案内いたします。